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優依の独り言
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青薔薇と黒薔薇(仮)3
※黒ネロとネロが女の子で双子です。
※キリエは男です。(名前:キリア)
※クレドは男です。

見るのは好きだけど書くのは苦手なアクションシーンです。

R16です。

OKな方は続きから。 

 結局、ネロが大聖堂に着いたとき、キリアの歌はほとんど終わっていて、息も絶え絶えにベンチに座り込む。
 歌い終わったキリアが見回し、そこにネロの姿を見つけると、柔らかに微笑んだ。それ答えるようにネロも笑う。




 壁に手を付いて、後ろから犯される。大聖堂の裏手で惜しげも無くさらされる四肢をフードを被った男が一心不乱に揺さぶった。
「は、あ!イイよ、もっと・・・っ」
 聖歌が響きわたる大聖堂。その裏腹での肉欲に背徳感を持ちながらも彼女・・・黒ネロは男を貪った。大祭なんて邪魔。聖歌なんてなんの意味がある?そんなことよりも。
 男が動くたびに秘所からは愛液が溢れ出す。動きを増すほどに少女の口からは艶かしい声が響いた。
「な、こっち向けよ」
「ん・・・っ」
 男の手が体を反転させる。両膝を持たれ、接合部だけで支えられる。深く繋がり、黒ネロはますます声を上げた。
 だが、人影に口は閉ざされる。単なる人影なら、彼女は迷わず嬌声をあげるだろう。その人影はどう見ても民ではない。
 ひらりと舞う赤いコートからも伺える逞しい体。その、気配。無効はこらに気づいていないようで、大聖堂の上にひらりと姿を消した。
「ぅ・・・っ」
 一瞬にして雰囲気を変えた黒ネロに気づかないまま、男は果てる。胎内に熱い体液を感じつつ、黒ネロはあの男のせいでイキそびれたと、苛立った。
「・・・もう終わり?もっとしようぜ?」
 ちゅ、と男にキスをする。それだけで男は黒ネロに夢中になった。
 男なんて、ちょろいものだと。
 黒ネロは今度こそ高みへと上り始めた。




 くだらない戯言は何度聞いてもくだらない。シャカシャカと外に漏れそうなほどの音量を出すヘッドフォンをしていても、教皇の話は聞こえてくる。それがまた癪に障る。
 そんな姿を離れたところでクレドがちらちらと気にしていた。それを知ってか知らずか、ネロはしなやかな足を組みなおし、短パンのベルトを締めなおしたりと、身動きが絶えない。
 歌を終えて、戻ってきたキリアがネロの隣に座ってきた。
「・・・遅れてごめん」
「気にしてないよ。そんなに息を切らせて来てくれて嬉しいよ」
「・・・うん。・・・これ、あげる」
「え?」
 そっと、キリアに差し出したのはリボンがつけられた青い箱だった。”ありがとう”としっかりと受け取ってくれたことに満足しつつも、スパーダの話を続ける教皇を睨みつける。
「・・・祈りを」
 祈ってなんになる。スパーダはもういない。祈ったからといって、誰かが守ってくれるわけじゃない。集まった民が指を絡ませて祈りを捧げる。 
 信仰深いキリアももちろん祈りを捧げるが、信仰心のないネロはまともに祈りを捧げたことなどなく。たとえキリアがそうしていても、真似することもしなかった。
「・・・ネロ?」
 立ち上がったネロをキリアが不思議そうに見上げる。
「どうしたんだい」
「帰る」
「祈りは・・・?」
「眠くなるだけだよ」
 キリアの静止も聞かず、ネロは歩き出す。ヘッドフォンがずれ落ちても気にせず離れていくネロをキリアは戸惑いながら追いかけた。
「ネロ、待って・・・」
 ぴたり、とネロは足を止めた。でもそれは、キリアのせいではない。
 固定された右腕が、淡く光っている。ギプスで覆われていてそれは一見わからないほどの光りだったが、ネロは右腕が脈打ち、なにかに反応していると直感する。
 今までこんな反応したことなかったのに。胸騒ぎがする。それは、現実となった。

 ガラスの割れる音ともに夕暮れの日差しが大聖堂に差し込む。とっさに見上げた先で、大聖堂の頂点が割れ、そこから男が独り降りてきた。
 夕暮れを背に、割れて陽光に反射してきらきら光るステンドグラスとともに教皇に降り注ぐ。
 それは一瞬のことだった。 
 壇に立つ教皇の目の前に軽やかに降り立つ。まるでスローモーションのように赤いコートがゆっくりと舞い、鎮まる。
 男は素早い動作で銃を抜くと間髪おかず教皇の額を打ち抜いた。
 大聖堂に響きわたる銃声に民は漸く異変に気づいた。
 誰もが何が起きたのかわからず、呆然とする。だが、それを知ったととたん、民は悲鳴を上げて逃げ出す。
 ネロが見つめる先で、男は立ち上がり、教皇の血で濡れた顔で振り向いた。
「───教皇!!」
 悲鳴に近い声でクレドが叫ぶ。剣を抜き、控えていた騎士隊が男に飛び掛った。
 
「キリア、こっちだ!!」
 騎士隊に任せてその場からキリアを逃がそうとする。青い箱が床に転がったがネロは気づかず、逃げ惑う民に紛れてその場から離れようとする。
 男はその長身ほどもある大きな剣を軽々と振り回した。陣形を組んだ騎士隊は男を囲むようにしていたが、男は数名の騎士隊を前にたじろぐことも無く、剣を振り、凪ぐ。
 柔軟な体を最大限に生かし、無駄の無いキレのある動きと力と技で次々と騎士隊を潰していく。
 そんな中、教皇に駆け寄るクレド。周りの騎士隊をほとんど殺したダンテが彼に忍び寄るのを、逃げながらキリアは見てしまった。
「兄さん!!」
「キリア!」
 とっさにネロの手を放したキリアがクレドにかけよる。その手を再度掴むことが出来なかったネロの視界の中で、まだ残っていた騎士隊員が男の剣を受け倒れる。それに巻き込まれたキリアに男が迫った。
「・・・キリア!」
 とっさに駆けた。床を踏み、ジャンプしたネロは両足をそろえて男の顔面へとドロップキックを食らわせ。着地と同時にリボルバーを抜き、発砲する。しかし、男は蹴飛ばされながらも平然とその弾丸を大剣で切り落とす。そのままスパーダ像の頭部に着地する。勢い余ってその額に剣を付きたてた。ネロは間を置かず飛び上がり、刺さった剣を抜こうとした男の手を蹴ると同時に二人はスパーダの腕に降り立ち、互いに銃口を向けた。
 その軽業にただものではないと分かる。だが、ネロは引けない。
 女で汚れ専門といえども騎士隊。キリアに危険を及ぼすものは、野放しには出来ない。
 相手が二丁拳銃だろうが、ネロが右腕が塞がれていようがかまわない。
 ネロは男を見据えながらキリアに声をかけた。
「早く逃げろ!」
「ネロ・・・っ」
「応援を呼ぶ!それまで持ちこたえろ!」
 クレドがキリアを庇いながら大聖堂から出て行く。残っていた騎士隊員が教皇の亡骸を引きずってその後を追った。

「・・・期待せずに待ってるよ」

 ぐい、と首を振り、ヘッドフォンを外す。音を奏でながらそれが床に落ちると、ネロはすかさず発砲した。
 銃声が響きわたるが、男はすで見切った様子で弾丸を避ける。剣を地に向けた持つスパーダの腕から後ろに飛び去ろうとした男の腰をその細い足で捕らえ、互いに至近距離で銃を向けるも当たらない。
 今まで感じたことのない強さ。それでも、ネロは決して自分が劣っているとは思わない。
 絡む銃身。明らかに通常の銃とは違うその造りだが、そんなことを気にしている暇などなかった。
  
 男がネロを蹴り、体を離した。咄嗟にコートとを掴んで投げ飛ばすが、その先はスパーダ像。頭部に刺さったままの剣を抜く男をネロが阻止しようとするが、間に合わない。飛び掛ってきたネロに剣を振り下ろした。それを銃身で受け止めるが、衝撃で耐え切れずにスパーダ増と巨大な剣の間に滑り落ちた。像に体を打ちつけながらも体制を整えようと足を突っ張る。ずるずると落ちながらも、巨大な剣に足を滑らせ、その柄の先にいた男に気づき、巨大な剣をスパーダ像から押し剥がした。剣の上をまるで橋を渡るように走りながら銃を撃つが、やはり当たらない。
 互いに弾かれ、床に降り立った。
 スパーダからはがされた巨大な剣が転がる。
 男は肩に大剣を担ぎながら、悠々と歩いていた。
「余裕たっぷりだな・・・むかつく」
 銃口を向けても平然としている男。
 悪魔より、手強いと。人間に対して思うのは初めだった。


 
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